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Week 4: ビット操作とレジスタ

日程概要

  • Day 1: ビット操作の基礎
  • Day 2: ビットフィールドと構造体のパッキング
  • Day 3: レジスタの概念と操作
  • Day 4: 組み込みシステムにおけるビット操作とレジスタ
  • Day 5: 実践演習と高度なビット操作テクニック

Day 1: ビット操作の基礎

1.1 ビットと2進数の復習

  • 2進数表現の基礎
  • 符号付き整数と符号なし整数の表現
  • 2の補数表現

1.2 ビット演算子

  • AND (&), OR (|), XOR (^), NOT (~)
  • 左シフト (<<), 右シフト (>>)
  • ビット演算子の優先順位

1.3 ビットマスクの概念と使用法

  • ビットマスクの作成
  • ビットの設定、クリア、トグル、チェック

1.4 ビット操作の一般的な応用

  • フラグの管理
  • 権限管理システム
  • 色情報の管理(RGB)

演習

  1. 整数の各ビットを表示する関数の実装
  2. ビット操作を使用した簡単な暗号化/復号化アルゴリズムの実装
  3. ビットマスクを使用したフラグ管理システムの作成

Day 2: ビットフィールドと構造体のパッキング

2.1 ビットフィールド

  • ビットフィールドの宣言と使用
  • メモリ節約のためのビットフィールドの活用
  • ビットフィールドの制限と注意点

2.2 構造体のパッキング

  • デフォルトの構造体アライメント
  • パッキングの制御(#pragma pack指示子)
  • パッキングがパフォーマンスに与える影響

2.3 共用体(Union)の活用

  • 共用体の基本概念
  • ビット操作と共用体の組み合わせ
  • エンディアン問題と共用体

演習

  1. ビットフィールドを使用したTCPヘッダ構造体の実装
  2. 構造体のパッキングを最適化し、メモリ使用量を削減する演習
  3. 共用体を使用してビッグエンディアン/リトルエンディアン変換を行う関数の実装

Day 3: レジスタの概念と操作

3.1 コンピュータアーキテクチャにおけるレジスタ

  • CPUレジスタの種類と役割
  • 汎用レジスタと特殊目的レジスタ
  • レジスタと主記憶の関係

3.2 C言語からのレジスタアクセス

  • volatile修飾子の使用
  • インラインアセンブリの基本
  • コンパイラの最適化とレジスタ

3.3 メモリマップドI/O

  • メモリマップドI/Oの概念
  • レジスタを介したデバイス制御

演習

  1. インラインアセンブリを使用して特定のCPUレジスタの値を読み取るプログラムの作成
  2. メモリマップドI/Oをシミュレートする簡単なプログラムの実装
  3. volatileを使用したマルチスレッドプログラムでの共有変数の正しい扱い方の実践

Day 4: 組み込みシステムにおけるビット操作とレジスタ

4.1 マイクロコントローラの基本

  • 一般的なマイクロコントローラアーキテクチャ
  • ペリフェラルとレジスタの関係

4.2 GPIO(汎用入出力)の制御

  • GPIOレジスタの構造
  • ビット操作によるGPIOピンの制御

4.3 割り込み処理

  • 割り込みベクタテーブル
  • 割り込み制御レジスタの操作

4.4 タイマー/カウンタの利用

  • タイマーレジスタの設定
  • PWM(パルス幅変調)の基本実装

演習

  1. GPIOを制御して

LEDを点滅させるプログラムの実装(シミュレータ使用) 2. 外部割り込みを使用したボタン入力処理プログラムの作成 3. タイマーを使用したPWM信号生成プログラムの実装

Day 5: 実践演習と高度なビット操作テクニック

5.1 高度なビット操作アルゴリズム

  • ビットカウント(ポピュレーションカウント)
  • 最下位ビットの抽出
  • 次の最大/最小値の計算(ビット操作を使用)

5.2 SIMD(Single Instruction Multiple Data)の基本

  • SIMDの概念と利点
  • インラインアセンブリを使用した簡単なSIMD操作

5.3 ロックフリープログラミングの基礎

  • アトミック操作の概念
  • CAS(Compare-And-Swap)操作の実装

5.4 実践演習:簡易デバイスドライバの設計

  • 仮想ハードウェアデバイスのレジスタ設計
  • デバイス制御用の低レベルドライバ関数の実装
  • ユーザースペースインターフェースの設計

演習

  1. 効率的なビットカウントアルゴリズムの実装と性能比較
  2. SIMDを使用した配列操作の最適化(可能な場合)
  3. ロックフリーなキューデータ構造の実装
  4. 仮想デバイスドライバのフルスタック実装(レジスタ設計からユーザーインターフェースまで)

まとめ

  • ビット操作の重要性と応用範囲の理解
  • レジスタレベルのプログラミングスキルの習得
  • 組み込みシステム開発における低レベルプログラミングの重要性の認識
  • 高度なビット操作テクニックとその実践的応用

コース全体の総括

  • C言語の基礎から高度なトピックまでの学習の振り返り
  • 組み込みソフトウェア開発に必要なスキルセットの確認
  • 今後の学習方向性と実践的プロジェクトのアイデア提案

このコースを通じて、参加者は組み込みソフトウェア開発に不可欠な低レベルプログラミングスキルを身につけ、効率的で堅牢なコードを書くための基礎を築きました。次のステップとして、実際のマイクロコントローラを使用した プロジェクトや、より複雑な組み込みシステムの開発に挑戦することをお勧めします。